マネジャーより「違いすぎるふたり」

版画家・渡辺トモコのマネジャーEです。
トモコさんとは高校時代からの友人で、その付き合いは25年以上になります。
彼女とは何度も一緒に旅行へ行きましたが、
3年前、インドにアーユルヴェーダを体験しに行った時も同行しました。

一緒に滞在した期間は2週間でした。
同じ部屋で寝泊まりし、3度の食事もおやつも一緒。
施設の外へはほぼ出られない軟禁状態です。
狭い部屋の中で四六時中、顔を合わせていれば、
たとえ家族でも大きなストレスを感じることでしょう。

最初は私たちも、お互いに不安を感じていました。
これを機に、長年の友情が壊れたらどうしよう・・・

しかし、その心配は杞憂に終わりました。
まったく、まーーったく!一緒にいることが苦ではなかったのです。
むしろ、家族よりラクすぎて、2週間では物足りないほどでした。

それはなぜか。

推察するに、私たちは全てにおいて違いすぎるのです。

私が3つのガジェットを駆使して仕事をする傍ら、
彼女は紙と鉛筆が商売道具。
流行りモノに乗っかる私と、時代を逆行するトモコさん。

好きな芸能人は?と聞かれたら、
「ディーン・フジオカ」と答える私に対し、
彼女は真顔で「ダライ・ラマ」と答えるでしょう。
2人とも同じカタカナですが、如何せんカテゴリーが違いすぎる。

それはまるでルンバと竹ボウキのような違い。
どちらも掃除道具ですが性質がまるで違う。
これを「比べ物にならない」と言います。

人の幸・不幸は、他人と比較することから始まると言います。
比べものにならない人と仲良くできたことは、
私の幸運と言っていいでしょう。

トモコさんがこの先、とんでもなく有名になっても、
私は彼女に嫉妬することはないでしょう。

むしろ、彼女を有名にすることが、
私の使命のひとつでもあるのです。

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